by tete04 |
2010年 10月 07日
観賞して半年ほどたつのだけど、これは書いておかねば・・・ 今の日本では考えられない環境で、少し時代背景など調べていたら 益々心に染み入る映画となりました 二度と戻れないかもしれない・・・ 軍事境界線を越えたシリア側の男性と結婚することになった 女性とその一家の物語 イスラエルの占領地に住むイスラム少数派の ドウルーズ派一家の次女が、軍事境界線によって隔てられた シリア側に住む親戚と結婚する事で起こる混乱を通して、 伝統、習慣、政治、宗教など人の間に生じる心の壁を ペーソス溢れるタッチで描いた佳作です。 イスラエルに占領されているゴラン高原が舞台ですが 元々シリア領だったゴラン高原は、1967年の第三次中東戦争で イスラエルに占領される (国際的にはイスラエルの領土とは認めておらず、占領地とされている) 軍事境界線によってシリアから分断された地に住む2万人のシリア人に対し イスラエルは国籍取得を強要しますが、彼らはそれを拒否、 未だに国籍を持ていないのです 「ゴラン高原」何となく聞いたことはあると思ったら 自衛隊が国際平和協力業務の一環として派遣されているところですね 戦闘シーンなどの残虐な場面が一切なく、小難しい政治的な話も出てこない 『目には目を』的な国家への誹謗中傷は抑えられているのに 戦争の無常さを感じずにはいられない これは、ユダヤ人の監督とパレスチナ人の脚本家が、壁を越えて 作り上げた作品なのです 彼女の社会は、親が結婚を決め、村の長老がコミュニティを仕切り、 異教徒を受け入れないというイスラム社会 しかし、嫁ぐモナも姉のアマルも、自らの人生を歩むことを決意し、 意志に満ちた表情で歩き出す。 その姿が美しく希望に満ちていました 「扉を叩く人」で、美しさに魅了されファンになったヒアム・アッバスが出演してるので 観たのですが、これまた素晴しい映画でした 10点
by tete04
| 2010-10-07 21:43
| シネマ
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